片頭痛の治療と予防

トリプタン系薬剤と服用タイミング

 

監修:埼玉精神神経センター /
埼玉国際頭痛センター長 坂井 文彦 先生

頭痛に対する治療薬のなかでも、消炎鎮痛薬はすでに起こってしまった炎症を抑えるのに対し、トリプタン系薬剤は水道の栓を閉めるように痛みの原因を抑える片頭痛に特異的な治療薬です。医師の診断で処方される薬なので、まずは医師に相談しましょう。

トリプタン系薬剤とは

片頭痛が起こるしくみ」にもあるように、片頭痛は、脳の血管を取り巻く三叉神経が何らかの原因で刺激され、そこから神経伝達物質が放出されることで、血管の拡張と血管周囲の炎症が起こり、その刺激が脳に伝わって、吐き気や嘔吐などを伴う「頭痛」が起こると考えられています。

イメージ図 トリプタン系薬剤とは イメージ図 トリプタン系薬剤とは

トリプタン系薬剤は、その拡がり過ぎた血管をもとに戻し、炎症を引き起こす神経伝達物質の放出を抑えることで片頭痛の痛みを改善します。

イメージ図 トリプタン系薬剤とは イメージ図 トリプタン系薬剤とは

監修:埼玉精神神経センター / 埼玉国際頭痛センター長 坂井 文彦 先生

トリプタン系薬剤の種類

現在、日本で使用できるトリプタン系薬剤は5種類で、その剤形には、錠剤、口腔内速溶/崩壊錠、点鼻薬、注射薬があります。
それぞれに特徴があるので、自分の頭痛のタイプやライフスタイルに合った剤形を先生と相談してみるとよいでしょう。

トリプタン系薬剤の適切な服用タイミング

片頭痛は特徴的な時間経過を示すことが多くみられ(下図)、頭痛が起こる数時間~数日前に、あくびや空腹感、首のこりなどの症状が「予兆」としてあらわれたり、また、頭痛が起こる直前にキラキラした光が見えるなどの「前兆」があらわれることがあり、その後、頭痛が起こります。

トリプタン系薬剤は、頭痛が起きたら早め(発症後1時間以内)、頭痛が軽度のうちに服用すると効果が得られやすいといわれています。予兆期や前兆期に服用しても効果は得られにくく、また、片頭痛がひどくなってからではアロディニア(通常なら痛みを感じない程度の刺激でも痛みを感じる現象)という症状があらわれ、薬剤の効果が十分には発揮されにくくなります。
あとで頭痛が起こると困るからと不安で早めに服用したり、逆につらくなるまで我慢したりせず、適切なタイミングで服用しましょう。頭痛が起きてすぐ、軽度のうちに、たとえば、歩行や階段の昇り降り、動くと痛みが強くなるときです。「深くお辞儀をしてみて、頭痛が強くなったら片頭痛」と自己診断する方法もあります。何度か試してみて、ご自分に合った適切な服用タイミングをつかみましょう。

トリプタン系薬剤の適切な服用タイミング

イメージ図 トリプタン系薬剤の適切な服用タイミング イメージ図 トリプタン系薬剤の適切な服用タイミング

監修:埼玉精神神経センター / 埼玉国際頭痛センター長 坂井 文彦 先生

妊娠中・授乳中の服用について

妊娠中・授乳中に片頭痛発作が起きた場合の急性期治療薬の服用については、必ず医師に相談してください。