いろんな頭痛

緊張型頭痛って?

 

監修:埼玉精神神経センター /
埼玉国際頭痛センター長 坂井 文彦 先生

慢性頭痛のなかで最も多くみられる緊張型頭痛。うつむき姿勢や過度な緊張、ストレスなどが重なって起こると考えられています。

緊張型頭痛とは

緊張型頭痛は、頭の周りを何かで締めつけられるような鈍い痛みが30分~7日間続きます。
よく「ヘルメットをかぶったような」と表現されます。動いて痛みがひどくなることはありませんが、肩や首の強いこり、めまい、ふらつき、全身のだるさなどを伴うこともあります。子どもから高齢者まで、どの年齢層でもみられ、ときどき頭痛がするタイプ(反復性緊張型頭痛)と、毎日のように頭痛が続くタイプ(慢性緊張型頭痛)とがあります。

緊張型頭痛の主な症状

どんな痛み? ギューッと締めつけられるような痛む、ずっしりと重苦しい痛み
どこが痛む? 頭の両側または頭全体、後頭部
動くと痛い? からだを動かすと少し楽になる
頭痛以外にどんな症状がある? 肩や首のこり
頭痛の前ぶれは? なし
頭痛のきっかけは? 目の疲れ、精神的ストレス、長時間の同一姿勢(パソコン・スマホなど)など
頭痛の持続時間は? 30分~7日間
どのくらいの頻度で起こるの? ときどき または ほぼ毎日

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日本頭痛学会・国際頭痛分類委員会 訳:国際頭痛分類 第3版 beta版 医学書院:22, 2014,
日本頭痛学会「慢性頭痛の診療ガイドライン市民版」作成小委員会 編:
慢性頭痛の診療ガイドライン 市民版 医学書院:82, 2014より作表

緊張型頭痛の誘因

緊張型頭痛は、身体的ストレスと精神的ストレスがいくつも重なることによって起こると考えられています。身体的ストレスとは、たとえば長時間のパソコン操作やうつむき姿勢、就寝時の合わない枕など不自然な姿勢や、体の冷えなどがこれにあたります。そのような状態が続くと、首筋から肩にかけての筋肉が持続的に収縮し、頭痛を誘発します。また、運動不足も頭痛を招きます。不安や心配などの精神的ストレスも誘因となります。

緊張型頭痛が起こるしくみ

緊張型頭痛は、首から肩、背中にかけての筋肉や頭の筋肉が緊張することで起こるといわれています。筋肉の緊張が高まると、筋肉内の血流が悪くなり、筋肉の中に乳酸やピルビン酸などの老廃物がたまります。それが周囲の神経を刺激し、締めつけられるような痛みを起こすのです。また、精神的ストレスは、筋肉の緊張がなくても頭痛を引き起こすことがあります。神経の緊張が毎日のように続くと、筋肉の緊張のコントロールや痛みを和らげる脳内システムの異常によって、筋肉が緊張していなくても頭痛が起こるようになってしまうのです。

緊張型頭痛の治療

ときどき緊張型頭痛が起こる「反復性緊張型頭痛」であれば、通常は、とくに治療を必要としません。頭痛が起こったときには、適度に体を動かして筋肉をほぐしたり、マッサージや入浴によって血行を促すようにしましょう。頭痛体操も効果的です。

一方、痛みが頻回で、日常生活に支障を及ぼす「慢性緊張型頭痛」は、病院を受診して治療したほうが良い場合もあります。鎮痛薬が治療の中心となりますが、薬剤の使用過多による頭痛(薬物乱用頭痛)に注意しながら、1週間に2~3回程度の服薬にとどめます。また、慢性緊張型頭痛では、ストレスや不安、抑うつ症状などの心理的な原因により脳内で痛みの調整がうまくできない状態になっていることもあるので、不安を取り除き、心を落ち着かせる効果のある薬(抗不安薬)などが用いられます。著しく首や肩の筋肉がこっている場合は、筋弛緩薬(筋肉の緊張を和らげる薬)なども用います。

緊張型頭痛の予防

緊張型頭痛を予防するためには、心身のストレスを上手に解消することが大切です。日頃から適度な運動を心がけ、同じ姿勢を続けないように心がけましょう。仕事や勉強で長時間、机の前に座りっぱなしのことが多い人は、こまめに休憩をとって気分転換をはかり、ときどき背すじを伸ばすなどして、筋肉をほぐすように努めましょう。1日の締めくくりに、ゆっくりとお風呂につかったり、首や肩をマッサージするのも効果的です。ウォーキングやストレッチといった軽い運動を習慣化し、ゆったり、のんびりした時間をもつことが何よりの予防法であり、治療法でもあります。