いろんな頭痛

群発頭痛って?

 

監修:埼玉精神神経センター /
埼玉国際頭痛センター長 坂井 文彦 先生

群発頭痛はある時期に集中して起こり、男性に多くみられます。目の奥がえぐられるような痛みが特徴で、アルコールがきっかけになります。

群発頭痛とは

群発頭痛は、群発地震のように、ある期間に集中して頭痛が起こるところからつけられました。数か月から数年に一度1)、数週間から数か月の間ほぼ毎日、1日の中でも決まった時間帯(夜間に多い)に激しい頭痛発作が連日起こります2)。頭痛の起こっている期間のことを「群発期」と呼んでいます。群発期以外は、頭痛はすっかり治まってしまいます。
女性に多くみられる片頭痛に対し、群発頭痛は20~40歳代の男性に多く、女性の3倍にのぼるともいわれます1)。その理由ははっきりしていません。

群発頭痛の特徴

群発頭痛は、しばしば「目がえぐられるような」「きりで刺されるような」と表現されるように、耐えられないほどの痛みだといわれています。あまりの痛みにじっとしていることができず、痛みを紛らわせるために動き回らずにはいられない、ひどいときには痛みのあまり頭を壁に打ちつけるという人もあるようです。必ず片側で、痛みと同じ側の目の充血、涙、鼻水・鼻づまり、額の発汗などの自律神経症状があらわれます。

群発頭痛の主な症状

どんな痛み?
  • 目の奥がえぐられるような激痛。耐え難い痛み
どこが痛む?
  • 必ず片側の目の奥
動くと痛い?
  • 痛くてじっとしていられない

頭痛以外にどんな症状がある?
  • 痛みと同じ側の涙、目の充血、鼻水・鼻づまり、額の発汗
頭痛の前ぶれは?
  • なし
頭痛のきっかけは?
  • アルコール
頭痛の持続時間は?
  • 15分~3時間
どのくらいの頻度で起こるの?
  • 群発的に起こる。1~2ヵ月間に集中してほぼ毎日起こる

    イメージ画像

日本頭痛学会・国際頭痛分類委員会 訳:国際頭痛分類 第3版 beta版 医学書院:29, 2014,
日本頭痛学会「慢性頭痛の診療ガイドライン市民版」作成小委員会 編:
慢性頭痛の診療ガイドライン 市民版 医学書院:100, 2014より作表

群発頭痛の誘因

群発頭痛ではアルコールが誘発因子になり、群発期に飲酒すると、数時間以内にほぼ百発百中で発作が起こるといわれています。それ以外にも狭心症の治療薬であるニトログリセリンなども誘因になるといわれています。

群発頭痛が起こるしくみ

群発頭痛の発症のメカニズムについては、まだ明らかにされていない点が多いのですが、自律神経症状を司る視床下部の異常や、目の奥を走っている太い血管(内頸動脈)の拡張と周囲の炎症が関係していると考えられています。

群発頭痛の治療

群発頭痛の治療は、薬物療法と酸素吸入法による治療が中心になります。

薬物療法

発作時(急性期)の治療薬としてはトリプタン系薬剤で効果が認められているものがあります。注射キットを携帯し、発作時に自己注射することも健康保険で認められています。

純酸素吸入法

群発頭痛の激痛は、鎮痛薬を服用しても抑えられないことも多く、「純酸素吸入法」も有効です。純酸素吸入法は、医療用の純度100%の酸素をフェイスマスクを通して毎分7リットルを15分吸入する治療法です。発作が起こったら、できるだけ早く行うと、より効果的です。

※2018年から在宅酸素療法も保険適用となりました。

群発頭痛の予防

日常生活

日常生活のなかで、頭痛を誘発する要因をできるだけ取り除くことを心がけましょう。
群発期間は禁酒してください。群発期間を過ぎればお酒を飲んでも頭痛は起こりませんので、お酒を楽しみたい人は、群発期間以外のときにしましょう。また、気圧の急激な変化は血管を拡張させたり、神経を刺激して頭痛を引き起こすことがあります。登山や飛行機に乗って頭痛が起こる場合は、医師に相談しましょう。

  • 1)日本頭痛学会・国際頭痛分類委員会 訳:国際頭痛分類 第3版 beta版 医学書院:29, 2014
  • 2)日本頭痛学会「慢性頭痛の診療ガイドライン市民版」作成小委員会 編:慢性頭痛の診療ガイドライン 市民版 医学書院:100, 2014