片頭痛って?

片頭痛の誘因

 

監修:埼玉精神神経センター /
埼玉国際頭痛センター長 坂井 文彦 先生

片頭痛患者さんの約75%に、何らかの誘発因子(頭痛を引き起こすきっかけ)があるといわれています1)。誘発因子は人によってさまざまで、ストレス、月経、空腹、アルコール、旅行、天候の変化、寝過ぎ・寝不足などがあります。ご自分がどんなときに頭痛が起きやすいか理解し、なるべく誘発因子を避けるようにしましょう。

精神的ストレスからの解放

責任の重い仕事をがんばってやり終えたとき、大きな悩みから解放されたときなど、緊張がとけてほっとしたとたん、片頭痛が始まってしまったというパターンが多いようです。これは、ストレスがかかっている間に高まっていたセロトニンが、リラックスすることによって一気に低下するためと考えられます。

実際、平日は何でもないのに、せっかくの休日、朝から片頭痛に悩まされるという人は少なくありません。休みの日は朝寝坊もしがちで、おまけに朝食を抜いてしまうと低血糖になり、さらに頭痛発作が起こりやすくなります。このような頭痛は「週末片頭痛」と呼ばれています。休日も朝から散歩やヨガなど気分をリフレッシュできるような予定を立てて、なるべく平日と同じような規則正しい生活を送るように心がけましょう。

月経による女性ホルモンの変化

片頭痛は女性ホルモンのエストロゲンの分泌量の変動と関係があるといわれ、月経の始まる2日前から月経中(特に月経が始まって3日の間)2)、排卵時などによく起こります。逆に月経がなくなりエストロゲンが安定する妊娠中は、片頭痛は一時的に治まることが多いのですが、出産後はまた始まります。閉経後には片頭痛が治まってくることが多いのも、エストロゲンの変動がなくなるからかもしれません。

経口避妊薬(ピル)を服用した場合も、片頭痛が起こりやすくなることがあります。ピルにはエストロゲンが含まれており、21日間服用し、7日間休薬します。片頭痛は血中のエストロゲン量の低下する休薬期間に生じることが多いです。
なお、片頭痛の人がピルを使用する場合は、前兆のある/なしによって、服用できないこともありますので、必ず医師に相談しましょう。

詳しくは「片頭痛と月経の関係」へ

空腹

ダイエット中や、朝食を食べないで学校や会社へ行くと、血糖値が下がるため頭痛が起こりやすくなります。食事は3食きちんと摂るようにしましょう。

アルコールや特定の食べ物

アルコール(とくに赤ワイン)がきっかけで片頭痛を起こすことはよく知られています。人によっては、チョコレートやチーズ、柑橘類など特定の食べ物によっても片頭痛が誘発されるといわれています。しかし、これらの食物を口にしたら必ず片頭痛が起こるというものでもなく、食べたときの状況や、いくつかの誘因が重なった場合に発作が起きるのではないかともいわれています。個人差も大きいのであまり神経質になる必要はありません。

人込みや騒音、まぶしい光、香水などのにおい

デパートなど人の集まる場所に出かけると、頭痛が起こる場合があります。この場合、人込み、騒音、ストレスあるいはたばこや香水のにおいなどによって頭痛が誘発されていると考えられます。LED照明や強い太陽光なども片頭痛の誘因となることがあります。

また、旅行へ行くと頭痛が起こるという話もよく聞きます。旅行には、車酔い、寝不足、不規則な食事、疲労、ストレス、ストレスからの解放など、頭痛に関連する実に多くの要因が絡んでいます。せっかくの外出や旅行を楽しむためにも、体調を整え、自覚している誘因があれば、できるだけ避けるようにしましょう。

天候や気温の変化

台風や梅雨の季節になると頭痛が起こりやすくなる人がいます。気圧の急激な変動の影響ではないかといわれています。また、気温や室内外の温度変化も誘因となります。夏の屋外では帽子や日傘を使用したり、クーラーのきいた室内では上着を羽織るなど工夫しましょう。

睡眠

寝過ぎ、寝不足、いずれも片頭痛の誘因となります。片頭痛を起こさないためには、できるだけ平日も休日も一定に、適度な睡眠時間を確保することが望ましいでしょう。

  • 1)Kelman, L.:Cephalalgia 27(5):394, 2007
  • 2)MacGregor, E. A.:Neurology 63(2):351, 2004