頭痛に関するソボクな疑問

治療と対処

 

監修:東京女子医科大学脳神経センター 客員教授
 清水 俊彦 先生

Q

頭痛の外科手術はあるの?

A

基本的に一次性頭痛の治療に外科手術は行いません。

片頭痛や緊張型頭痛などの一次性頭痛(慢性頭痛)は外科手術で治る病気ではありません。したがって手術することはありません。ただし、きわめてまれな例ですが、激しい群発頭痛が1年以上とぎれることなく続いて、薬の効果がない、といった重症の患者さんでは、神経の痛む部分を局所的に切除する手術を行うケースはあります。また、くも膜下出血や脳出血などほかの病気が原因で起こる頭痛(二次性頭痛)の場合は、早急な外科手術が必要となる場合もあります。

Q

冷やしたり温めたりするのは頭痛に効くの?

A

頭痛の種類によって効果がある場合もあります。

熱いお風呂に入った場合に楽になるのが緊張型頭痛、痛みがひどくなるのが片頭痛といわれ、これは片頭痛か緊張型頭痛かを判断する目安になります。
片頭痛の発作は体が急に温まって脳の血管が拡がったとき(冬に熱いシャワーを浴びたとき、夏に冷房の効いた部屋から急に暑い屋外に出るとき、プールからの帰り道など)に起こる場合があります。片頭痛の発作では、耳の穴から1センチほど上にある動脈の部分を冷やすと軽減できることがあります。夏の日差しが強い日は、麦わら帽子や日傘などを使用して直射日光を遮るとよいでしょう。

また、緊張型頭痛の発作は、冷えて血管や筋肉が縮んだとき(例えば冬場に寒い外気に長時間さらされたときなど)によく起こります。冬の寒い日は、耳のあたりまで覆う毛糸の帽子などをかぶって外出したり、夏の冷房の効いた部屋では首回りを冷やさないようにストールを巻いたりするとよいでしょう。
ただし、これらには個人差がありますので、必ずしも効果があるとは限りません。

Q

痛み始めてしまったら、薬は効かない?

A

市販の鎮痛薬は、服用のタイミングをはずすと効かないことがありますが、病院で処方される薬のなかには痛みのある間に飲めば効果があるものがあります。

一般に片頭痛は、脳血管の拡張により血管の周囲を取り巻く三叉神経が刺激を受けると神経ペプチドと呼ばれる「痛みの原因となる物質」が放出され、血管の周りに炎症が起こり、それがさらに血管拡張を促し、三叉神経への刺激を高め、その刺激が大脳に伝わることで、症状があらわれます。

市販の頭痛薬は起きてしまった炎症による痛みを和らげる薬で、神経には作用しません。一方、病院で処方される薬には、血管に作用する薬(エルゴタミン製剤)と、血管と三叉神経の両方に作用する薬(トリプタン系薬剤)があります。エルゴタミン製剤は、目の前にキラキラ光るものがあらわれる(閃輝暗点)など、発作の前兆があったときや、発作のごく初期に飲まないと効果が発揮されない場合があります。トリプタン系薬剤の場合は、発作が起きて痛みが徐々に強くなってから飲んでも頭痛を抑えてくれます。
ただし、トリプタン系薬剤は、頭痛が始まってそれが片頭痛の痛みであると確信した「軽度」のうちに服用すると高い効果が得られるので、できるだけ適切なタイミングで服用するよう心がけましょう。