いろんな頭痛

子どもの頭痛

 

子どもの頭痛は持続時間が短く、発作時以外はケロっとしているため診断が難しく、周囲の理解がないと、場合によっては不登校につながりかねません。正しい知識と適切な対処が重要です。

子どもの頭痛について

子どもが学校で訴える症状のなかで、頭痛はよくみられる症状のひとつです。
いわゆる風邪の症状として発熱を伴う頭痛のときは保健室で休ませてもらえるのですが、例えば、授業中に片頭痛が起きて、本人はとてもつらいのに、サボろうとしていると見なされたり、熱がないからと保健室から教室に返されてしまうケースも少なくありません。
とくに体育の授業の後などは血行がよくなることで血管が拡がり頭痛が起こることがあるので、そういったときは頭痛が治まるまで保健室でしばらく休ませます。周囲の大人が子どもの頭痛に注意を払い、担任の先生や養護教諭の理解を求めることも大切です。
主治医に「頭痛が起きたら保健室で休ませてください」といった内容の"頭痛持ち証明書"を書いてもらうなどの方法も考えましょう。頭痛が原因で不登校になる児童も見受けられます。子どもの頭痛の専門家が少ないこともあって、先生や周囲の大人の理解が必要不可欠です。

子どもの片頭痛の特徴

子どもの片頭痛は、大人の片頭痛とは少し異なります。特徴としては、(1)頭痛の持続時間が2時間からと短い、(2)頭痛の部位が両側性(前頭側頭部)である場合が多い、(3)腹部症状が多いなどが挙げられます。このように短い発作時間で、かつ頭痛の発作後はケロッとしており、また、光過敏などの症状も周囲にうまく伝えられないことから、サボっていると思われてしまうことが多いのです。

前兆のない片頭痛の診断基準

成人の場合 子どもの場合
A. B~Dを満たす発作が5回以上ある  
B. 頭痛発作の持続時間は4~72時間(未治療もしくは治療が無効な場合) 注1) 注1) 小児あるいは青年(18歳未満)では、片頭痛発作の持続時間は、2~72時間としてよいかもしれない。

C. 頭痛は以下の4つの特徴の少なくとも2項目を満たす

  1. 1. 片側性 注2)
  2. 2. 拍動性
  3. 3. 中等度~重度の頭痛
  4. 4. 日常的な動作(歩行や階段昇降など)により頭痛が増悪する、あるいは頭痛のために日常的な動作を避ける
注2) 小児あるいは青年(18歳未満)の片頭痛は成人の場合に比べて両側性であることが多い。片側性の頭痛は青年期の終わりか成人期の初めに現れるのが通例である。片頭痛の痛みは通常、前頭側頭部に発生する。小児における後頭部痛はまれであり、診断上の注意が必要である。

D. 頭痛発作中に少なくとも以下の1項目を満たす

  1. 1. 悪心または嘔吐(あるいはその両方)
  2. 2. 光過敏および音過敏 注3)
注3) 年少児の光過敏および音過敏は、行動から推測できるものと考えられる。
E. ほかに最適なICHD-3の診断がない  

日本頭痛学会・国際頭痛分類委員会 訳:国際頭痛分類 第3版 beta版 医学書院:3, 2014より改変

片頭痛に関連して起こる症状

以下の4つの症状は片頭痛に関連して起こり、「片頭痛に関連する周期性症候群」と呼ばれています。大人にみられることもありますが、子どもに多くみられます。

片頭痛に関連する周期性症候群

周期性嘔吐症候群 特徴的な強い悪心と嘔吐が持続的・周期的に起こるもので、発作の起きていないときにはまったく正常です。よく自家中毒とも間違われるため注意が必要です。
腹部片頭痛 日常的な活動を妨げるほどの重度の腹痛で、腹痛とともに食欲不振、悪心、嘔吐、顔面蒼白などを伴います。腹部片頭痛のみられる大部分の小児は、のちに片頭痛を起こします。
良性発作性めまい 前ぶれなく生じる回転性めまい発作で、数分から数時間で自然に治ります。年少児で「発作的な落ち着きのなさ」がみられた場合、回転性めまい発作の可能性があります。
良性発作性斜頸(しゃけい) 頭が左右どちらかに傾いて(少しねじれていることもある)、数分から数日間で自然に治る発作が毎月のように起こります。生後1年以内に起こり、良性発作性めまいや片頭痛に移行することもあります。

子どもの場合、大人のように自分の症状を表現することが難しいので、このような症状のほか、まぶしい光を嫌がる、音に敏感に振る舞うなどの行動から判断して片頭痛の可能性を見つけてあげるとよいでしょう。

遺伝と片頭痛について

子どもの頃の生活習慣によって、大人になってから片頭痛持ちになるかどうかが決まるわけではありません。多くは生まれつきの体質、遺伝的要因に環境因子が加わって片頭痛持ちになるのではないかと考えられています。
片頭痛の子どもには車酔いする子どもが多いという報告があり、これは自律神経系の問題ともいわれていますが、はっきりした原因は不明です。両親、とくに母親が片頭痛だと、娘も片頭痛になる確率が高いことがわかっています。日頃から子どもの頭痛の誘因を見極めるよう心がけましょう。また"体質だから"と片づけずに、治療法があることも知っておきましょう。

生活の乱れが頭痛につながる場合

頭痛のある子どもは、普段からの規則正しい生活習慣がとても大切です。寝過ぎや寝不足にならないこと、テレビやゲームなどで夜更かししないことなど注意が必要です。暗い部屋でテレビを見たり、ゲームで画面がまぶしい/チラチラするのは頭痛の大きな誘因になります。
また、朝ご飯をきちんと食べないと、血糖値が下がって頭痛を招き、お昼前の体育の授業中に頭痛が起こるケースが少なくありませんので、朝ご飯をしっかり食べる習慣をつけるようにしましょう。