スッきりんと学ぶ頭痛講座。
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総監修:坂井 文彦 先生 (国際頭痛センター長)
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頭痛に関するソボクなギモン
> 治療と予防
監修:清水 俊彦 先生(東京女子医科大学附属脳神経センター 講師)
頭痛の種類によって効果がある場合もあります。
熱い風呂に入って楽になるのが緊張型頭痛、痛みが強くなるのが片頭痛といわれ、これは片頭痛か緊張型頭痛かを判断する目安になります。
片頭痛の発作は体が急に温まって脳の血管が拡がった時(冬に熱いシャワーを浴びた時、夏にクーラーが効き過ぎた部屋から外に出た時、プールからの帰り道など)に起こる場合があります。片頭痛の発作は、耳の穴から1センチほど上にある動脈の部分を冷やすと軽減できることがあります。夏の日差しが強い日は、締めつけ感のない麦わら帽子などをかぶって直射日光を遮るとよいでしょう。
また、緊張型頭痛の発作は、冷えて血管や筋肉が縮んだ時(たとえば冬の暖かい部屋から出て寒い外気に触れた時など)によく起こります。冬の寒い日は、耳のあたりまで覆う毛糸の帽子などをかぶって外出するとよいでしょう。
ただし、これらには個人差がありますので、必ずしも効果があるとは限りません。
患者さんの多くに前兆があります。
くも膜下出血は、脳の太い血管にこぶができ、それが風船のように膨らんでいき、ある日突然はじけることで発症します。後頭部を金槌で殴られたような激痛が走って意識を失い、死に至るケースもあります。患者さんに聞くと、多くの人が発症する1~2週間前に、前兆として軽い頭痛発作を起こしています。血管のこぶがはじける前に少量の出血が起きることが多く、これが前兆としてあらわれる頭痛の正体です。この頭痛は1~2週間ずっと続くことが多く、3日くらいで症状がおさまる片頭痛とは異なります。
いつもと違うタイプの頭痛が起きたら、早急に神経内科、脳神経外科を受診しましょう。また、くも膜下出血は遺伝性の強い病気ですから、両親や兄弟で発作を起こしたことがある人がいる場合には、こまめに検査を受けることをお勧めします。
市販薬は、服用のタイミングをはずすと効かないことがありますが、病院で処方されるくすりの中には痛みのある間に飲めば効果があるものがあります。
一般に片頭痛は、まず脳の血管が拡がって「血管の炎症」を起こし、次にその周りの神経が刺激されて炎症物質が放出されて「神経の炎症」を起こすことで発作が始まるといわれます。
市販の頭痛薬は血管の炎症による痛みを和らげはしますが、神経の炎症を抑える働きはないので、発作が起こってから飲んだ場合には、神経の炎症による痛みは続きます。
病院で処方されるくすりには、「血管の炎症」を抑えるくすり(エルゴタミン製剤)と、「血管の炎症」と「神経の炎症」の両方を抑えるくすり(トリプタン系のくすり)があります。
前者の場合は、目の前にキラキラ光るものがあらわれる(閃輝暗点)など、発作の前兆があった時や、発作のごく初期に飲みましょう。トリプタン系のくすりの場合は、発作が起きて痛みが徐々に強くなってから飲んでも頭痛を抑えてくれます。
これはケースバイケースですので、医師の指示に従いましょう。
くすりによって効き方や飲み方にいろいろ違いがありますので、飲み方は主治医の先生と相談して決めるべきです。ただし、市販薬の飲み過ぎには注意しましょう。
痛みを治したくて飲むくすりが、逆に薬物乱用頭痛の引き金になってしまうことがあるのです。くすりを飲んでも効かなくなったり、飲む量が増えている人は要注意です。また、ほかの病気のくすりの中にも、頭痛を引き起こす可能性のあるものがあるので、これも対応策を医師に相談しましょう。
「1億3000万人のうちの3000万人」は多数派か少数派か、意見の分かれるところです。
北里大学で行った疫学調査によれば、日本人全体で「慢性の頭痛」を感じている人は約3000万人、そのうち片頭痛の患者さんは約840万人と推定されています。また一般に、片頭痛は男性よりも女性が多く、年齢層としては20代~30代前半に多く発症しているとみられ、30代の女性のうち5人に1人くらいが片頭痛患者ともいわれています。
頭痛患者の人に限らずタバコは控えたほうがよいでしょう。
喫煙が引き金になって頭痛の発作が起こるケースは少なくありません。鼻の奥を煙が刺激して発作が起きたり症状がひどくなるケースがあります。
特に群発頭痛の患者さんは控えるべきですし、発作が起きている最中であれば絶対に吸ってはいけません。片頭痛でもタバコの煙やにおいが誘因となることがあります。頭痛と喫煙の因果関係は医学的に解明されていませんが、タバコは頭痛に限らず健康を損なうことになりますので、止めることをお勧めします。
あります。それらは「共存症」と呼ばれ、片頭痛の原因や予防、治療薬を考える上で重要です。
同一の人に2つ以上の病気が一緒に存在している場合、その病気どうしを「共存症」と呼びます。この共存症には、互いに病気のメカニズムが似ているものが多く、遺伝的あるいは環境的に共通な因子を持つと考えられています。共存症は、場合によっては互いの病気に影響しあい、相乗して悪化させてしまうこともあるので、病気の原因や治療薬を考える上で重要です。片頭痛でもいくつかの共存症が知られています。
精神科的疾患:うつ病、不安神経症、情緒障害
神経疾患:てんかん、脳梗塞
免疫疾患:アレルギー、ぜんそく
その他:心疾患(卵円孔開存症など)、低血圧、高血圧、脳血管障害(解離性動脈瘤など)
これら共存症と片頭痛とは同じ種類の病気というわけではなく、何らかの共通性があると考えられています。片頭痛の予防に抗うつ薬、抗てんかん薬、抗アレルギー・ぜんそく薬が使用されるのは、共存症の研究からも妥当といえます。
最近、片頭痛と脳梗塞との関係も注目されています。これはMRIなどの脳の検査技術の進歩により、受診された片頭痛患者さんの脳に脳梗塞に似た病変が通常より多くみられることがわかってきたためです。片頭痛そのものが脳梗塞の原因になるという証拠はありませんが、片頭痛(特に前兆のある片頭痛)の方が経口避妊薬を使用したり、喫煙したり、あるいは肥満などの因子がかさなると脳梗塞になりやすいことが報告されており、注意が必要です。また、いくつかの論文で、片頭痛(特に前兆のある片頭痛)を治療していなかった人は、治療していた人に比べて脳梗塞になる危険性が高かったことが報告されています。こういった片頭痛と脳梗塞の関係についてはまだ明らかになっていない部分も多く、さらなる研究によって解明されていくことが期待されています。